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                             手作り露天風呂制作記録


 
その1

僕は別に風呂好きではない。どちらかと言うと「鴉の行水」である。風呂に入ってもすぐに出てくるので「お父さん綺麗に洗った? しっかり洗わなくちゃだめよ!」と奥さんにいつも叱られている。なんか情けないね。

そんな僕がなぜ露天風呂を造ったのかな??・・・

思い出してみると、今から十数年まえに見たテレビの番組が強く影響を及ぼしていると思う。その内容は自宅の敷地内に自作の露天風呂を造った人達の紹介をし、風呂の出来るまでの苦労話や作り上げていく楽しみ。そして何よりも嬉しいのは自分の手で作り上げた露天風呂に入浴する時は至福の喜びですと満面の笑みをたたえているその人を見て、いいな僕も造りたいなと思った。・・・・・

だが思っただけで造らなかった。いや造れなかったというほうが正しいと思う。日曜大工程度の作業はやったことがあるが、なぜならば露天風呂を製作するためのノウハウが何も無かったからである。

こりゃダメダ。諦めようと思って居た時に、たまたま見た某局のテレビ番組の「テレビタックル」・「大工王決定戦・露天風呂造り」でした。その内容は三組の大工さんが三軒の旅館の敷地内に三日間で露天風呂を完成させると言う内容で露天風呂の基礎工事・土木工事・母屋「脱衣所」の制作等々僕の知りたかった事がすべてと言っていいほど紹介されていた。 (たしか二年間ぐらいで四・五回は放送されたと思う。そのほとんどをビデオで録画してある。)これが露天風呂を造るうえで実に参考になりました。

何事にもすぐに感化されやすい単純な性格なのでこれなら自分にもできると勝手に思い込み「露天風呂を造ろう」と決心をしたわけであります。

と、いうわけで今回は露天風呂を造ろうと決心するまでを紹介いたしましたが、次回は材料集めから露天風呂制作に至るまでを紹介したいと思います、しかし当時はホ-ムペ-ジで紹介するなど考えても見なかったので途中経過の写真などがありませんので今回は完成した写真を紹介しますのでお楽しみ下さい。


その2

テレビの影響は絶大である。特に単純な脳構造をもっている僕は顕著にその影響を受けている。単純で思い込んだらとことんやり遂げる熱しやすくさめやすい僕の性格はテレビの番組(大工王決定戦・露天風呂造り)を見てこれなら僕にも出来そうだなと思いがふつふつと胸の奥から湧き上がってくるのを感じていた。

「よし、まずは設計図だ」

どんな風呂を造ろうか、最初に始めたのは広告の裏に子供の絵のようなイメージ図を描いていく。

「風呂は岩風呂がいいな」「大きさは大人が3人で足が伸ばせるくらい」「石組みの滝を作りたいな」「五右衛門風呂もあったらいいな」どうせなら「打たせ湯」や「ジャグジ-風呂」なんかも・・・・。

頭の中のイメ-シ゜がどんどん沸いてくる思いつくまま広告の裏側の白紙に書き込んでゆく。植栽はとどうしょうか何を植えようか。

「桜が」好きだな「紅葉も」いいな。

僕の頭の中には満開の桜の枝が露天風呂に掛かり桜の花びらがヒラヒラと湯船に落ちてくる。「秋は」紅葉した紅葉か、その中でゆっくりと冷たいウ-ロン茶でも飲みながら至福の喜びを味わいたい等々考えていると。まてよ、何処かでこんな光景を見たことががあるどこだろう。考えることしばし。

「分かった !! 秘湯の宿だ」

以前テレビ番組の(秘湯の宿)で紹介された一場面であった。そういえば今ここに書いているイメ-ジ図もそのパクリで、番組の良いとこ取りであり自分自身の描いたイメ-ジではなかったと判明し少しガッカリした。まあ良いや最初はまねで細部は其の時々で考えれば良いやと次に進む、(この計画性のなさが後でとんでもないことになる)とは其の時の僕には少しも思わなかった。僕の頭の中には出来上がった露天風呂のイメ-ジしかなかった。
それでは我が家の何処に造ろうかと考えたが? すぐに決まった我が家の北側に幅約7m奥行き15mの空き地がありそこに造ろう、その空き地は家を建てるとき家に面している道路や隣家を気にして道路から少し離そう、隣の空き地が駐車場だからここからも離そうとずらしていくうちに土地のほぼ中央に家が建つことになり主庭が予定より狭くなり北側が空き地になった。親戚や兄弟からなんでこんな土地を無駄にした建て方をしたんだと散々言われたものである。しかし今になり僕の壮大な夢をかなえる有意義な空き地になり、そしてこの土地は生きる。
思い立ったが吉日すぐに行動を起こす。最初に始めたのが岩風呂を造るための石探し、工事現場からでた岩や知り合いの屋敷で邪魔になっていた岩などを片っ端から集めまわった。気に入った岩が出るとすぐレンタルのレッカ-を借りて積みに行く。レッカ-代も結構高い。1回10000円1年間に都合7回で70000円掛かったが其の時は夢中で別に気にはならなかった。しかし後から分かったことだが建材屋さんに頼めば大型トラック1台分で30000円で手に入ると分かったが後の祭り。仕方ないが気に入った石が集まったから良しとしよう。
次にほしかったのは大人が1人ゆったりと入れる大きさの五右衛門風呂すなわち鉄のお釜を手に入れようと昔どこそこの家は五右衛門風呂があったよと聞けば訪ねて行き、骨董屋さんにも周り探し続けたがそんな大きなお釜なんかないよといわれそれでもあきらめずに探し続けついに望みどうりの「お釜ちゃん」にめぐり合ったのはそれから3年後であった。其の時様子はまたいつか紹介することにします。
まったく計画性のないまま思いつくまますぐに行動をおこす、週末や仕事が終わり家に帰るとすぐに作業をつづけ石集めと平行して露天風呂の穴掘り、穴掘りは仕事柄(自衛官なので)穴ほりは慣れているがこれがまたきつい仕事で幅2.4m×2.4m深さ70cm一回の作業時間が1時間程度で穴を掘り終わるのに4日間を費やした。近所の人は穴掘りをしている僕を見て。

「旦那さん毎日よくやるね~」

「大きな池を造っているね、鯉でも泳がすのかい」

なぞと声を掛けてくる。

「何が出来るかは後のお楽しみだよ」

と返す。思いつきの仕事で失敗や無駄の連続で出費も嵩む、少ない小遣いで造っているのですぐに資金不足になり資材の購入費用がたまるまで工事は中止、7日10日の休みは当たり前、こんな調子だから仕事は遅々として進まない。
穴が掘り終わったぞ、次は何をする.? 排水だ排水のための溝堀をしなければならない。

「また穴掘りかい。いやになっちゃうね」

今度は溝幅40cm深さ50cm長さ20メ-トルを掘らなければならない、水を通すエンビ管も必要だ溝の底に敷く割グリ石や砂利、砂などが・・・・と考えているうちに、それだけではない浴槽の下地を作るにも必要になってくる。型枠・鉄筋・結束線・サイコロベ-スと生コンはどのくらい必要なのか、金額はどのくらい掛かるかあるのか、今小遣いの残金は幾らあるのか考えたら心細くなってきた。とりあえず必要分の品物を書き出してホ-ムセンタ-に向かった。
ホ-ムセンタ-は便利だ何でもある、しかし値が張る、完全に予算オ-バ-だ仕方ないので下地作りの分だけ購入することにした。家に帰り早速排水溝作りに取り掛かった。溝を掘り底に割りグリ石を敷き固め砂を入れて最後にエンビ管を設置した。後は溝を埋めてこの日の作業は終了。

次の日、いよいよ露天風呂の下地つくりに取り掛かる。穴は掘り終えているので昨日と同様の手順で割り
リ石を敷き突き固め砂を敷きサイコロベ-スを置き、其の上に鉄筋の金網を載せ水平をとり動かないように
鉄筋を打ち込み結束線で固定する。昼過ぎに頼んでおいた生コンが到着したので早速に流し込み平らにして今日の作業は終了した。

1週間後、生コンも乾いているので、いよいよ型枠作りに入る。下地に穴を開け鉄筋を建てていく縦横に鉄筋を結束線で固定しながら立ち上げて行く、鉄筋が組み終わったら型枠を取り付ける、順次奥側、左右、前と取り付けて行くが完成までに2日間を費やした。後はいよいよ生コンを入れるだけとなった。しかしすぐには入れることが出来ない。生コンが入ったのは数ケ月後であった。

なぜおそくなったかって、そう。お小遣いがなかったのです、それでも「待つこと楽し」で苦にはならなかった。

数ヶ月がたち、いよいよ生コンを入れる日が来た。其の日も僕1人の作業で少し生コンを入れてもらい僕は突き棒で突き馴らす、それを数回続けたところ運転手さんが、

「だんなさん、これじゃ時間ばかり喰って進まないから少しゆるく(生コンを)しようと言う。

水を加えて生コンをやわらかくして型枠の中に入りやすくそして流れやすくなるので突き棒で突くのも大分楽になった。1時間くらいで作業は終了した。あとは型枠をはずすのが楽しみである。
.


その3

※露天風呂のリフオ-ム写真。露天風呂制作費用領収書発見 ※


 令和2年某月某日 ある日突然妻と娘にお父さん一人で4部屋も使っていないで、そろそろ断捨離して下さいと言われた。
言われても仕方がない居間、仏壇部屋(私の寝室)サンル-フの物置兼作業小屋と離れの甲冑工房とを独占している。
捨てろと言われても中々捨てられない、どれから手を付けて良いのやら、**********
 仕方なくサンル-フ部屋から片付ける事にした。これは要らない、これは要る、あれも要る、それも必要、これはまだ使うかもしれないと分別をしては見たものの圧倒的に残すものが多い9対2の割合である。何だかんだで半日を要した、飽きてきた。
机の引き出しの中をゴソゴソと片づけをしていたら何と露天風呂制作当時の領収書を多数発見した。数10円の釘から数10万円したボイラーの領収書が出てきた。結構重複して工具や部材をを購入している。無駄使いか多いいね工具等をしっかりと片付けてなく行方不明になり又おなじ工具を買うはめになった。領収書には日付が記してあるので制作工程と領収書の日付を合わせればほぼ工程日が分かるようになったのは嬉しいですね。処分を考えていた古いパソコンのデ-タの中にあった露天風呂制作(リフオ-ム時の写真)も発見した。いくら探しても見つからなかった写真が出てきたことも嬉しいです今度はこの写真を貼り付けよう。パソコンも古いデ-タを見終えるまで捨てるのをやめようと思う。
その2の続きは写真画像に説明を加えて以下に紹介しますのでご覧ください。
    

  



風呂外写真

     裏の駐車場からの外観








露天風呂写真

お気に入りの石組みの滝落とし、枝垂桜、左壁
には椿、右壁はどうだんつつじを植えて前には
白玉石を敷きしめる。石組みにはハイシンパク
を這わす。





露天風呂写真

     こんな感じで完成しました







露天風呂写真

 広くゆったりとした露天風呂、大人5~6人
 は入れます






露天風呂写真

   人気no1の五右衛門風呂

 どちらかといえば露天風呂の方に思いを
 込めて制作したのだけど・・・・・・・

   

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.
 



























出てきましたよ納品書、領収書の一部
 これで全部ではないですね、不足してい
 る領収書がきだまだありそうです。
 製作費はいくら掛かったやら、計算する
 のが怖いです。



...
発見した納品書や領収書、ボイラーの作業見積書などから露天風呂制作工程が分かってきた。一番古い納品書の日付が1999年6月から基礎に必要な金物や
部材の納品が集中しているので本格的に風呂枠等の制作に取りかかった時期だと思う。穴掘りを始めたのは1998年の秋頃と思われる。

1998年秋頃  露天風呂制作開始、穴掘りを始める。同時並行で五右衛門風呂、滝用の石組み        
1999年6月  風呂枠の制作、、
2000年5月頃 ミキサー車で生コンクリートを運んでもらい型枠に流し込む。
2000年8月ボイラーの設置、電気配線、配管工事一式は私には無理なので業者に委託した。
2002年  ガ-デンライト4本設置する。桜木がライトアップされとても綺麗で良い感じ、大正解です
2008年6月 露天風呂が完成してから8年、風呂の内貼りで使用しいてた檜板が腐って来ていたので使える板だけ残し張り替える事にした。下記写真がその時の
         作業状況です。

      

.   

 風呂壁はfrpでがっちりと固めて防水 塗料を塗り防水は完璧   檜板の分別、どのくらい再利用できるかな?  長い板は、ほとんど利用可能です   苔をゴシゴシとこすり落とす、洗って乾かし終了


風呂の底に隙間を開け板を張り付
ける途中で決心変更、ベタ張りにする 
ベタ張りの方が見た目がきれい壁の
側面に板を張り付ける
板をはり終えたら腰掛を作成する
板張りの完成、

.                              .
        

五右衛門風呂、鉄のお釜です釜の中になぜスノコがあるのかほとんどの人が分からなかった       脱衣所入り口     脱衣所は檜張りです   脱衣所は入り口が2ケ所あり裏の 駐車場からも入れます

                                                          
      

脱衣所から風呂場に続く
アプロ-チ、まだ未完成です  
洗い場から見た入り口です正面は
脱衣所です 
入り口の正面に黒竹にガ-デン
ライト黒竹と枯れ木工作の飾り
正面に露天風呂、石組みの滝からお湯が.流れ落ちる。右手前に五右衛門風呂洗い場には足つぼ刺激用に小石を敷いた

                                                                                                                                     
    

子供たちに大人気の鉄製のお釜
 なぜスノコが釜の中にあるのかは
誰もわかりませんでした
    裏の駐車場からの外観     駐車場側からの出入り口        ボイラー

                             
                        

                                ろ過機
                    、
  おこずかいは雀の涙・・・・・・好きで始めたので・・・・・・・まあ仕方がありません
  写真はリフオ-ムの時のものですがほぼ制作当時も同じような手順で進めているので制作工程紹介は今回で終了します。
  次回のその4では制作時および制作後にとんでもないことになった事例を紹介します。


                    その4

今まで露天風呂制作を紹介してきたのですがなぜ幅2.4m×2.4m深さ70cmもある風呂を制作をしたのか1年以上もかけて石組み用の石を
準備したのに檜の風呂にしたのかそれには恐ろしく怖い思いをしたからです。

風呂の外枠も完了して石を使い滝組も何とか完成していよいよ枠内の配置に掛かった1人でレッカーを使い何石か組み込み少し大きめの石をつり
上げ片手で石を抑えて位置決めをしている時にワイヤーから石が滑り落ちた。あっという間の出来事でガツッと足元に大きな音がした。

「あっ足を潰した」か・・・痛みはない、恐る恐る足元を見ると爪先2~3センチに落下していた。ほっとした瞬間に背筋が凍り付き同時に冷や汗がドット
出たしばらくの間、動悸が止まらない仕事を続けることが出来なくなった。

レッカー5トン未満及び玉掛け資格はあるが事故は思わぬ時に起こるものだと身に染みて実感しました。この出来事があって石の使用をやめて檜板
を使い檜風呂を制作した訳です、今まで集めた石は無駄になってしまいました。

幅2.4m×2.4m深さ70cmがそのまま湯船になってしまい使用する水の量も約2トン湯を沸かすボイラーも高出力で4時間もかかり使用する灯油の
量も半端ない各料金もかさみ全くとんでもないことになってしまいました。

色々とありましたが自力で露天風呂を完成させ満足しています。長い間に友人達、お弟子さんが喜んでくれる本当に嬉しいことです。これからも皆さんに
楽しんもらいたいと思います。



                                 その5

2020年に超大型の台風が日本列島襲い各地に大被害を及ぼした。私の自慢の露天風呂にもそれは襲ってきた。板塀の三分の一が倒壊してしまった
制作してから20年も経ち老巧化していたのか、倒れた他の部分にも影響がありこのままずっと使い続けるには無理があるので板塀と石組みを.新しく
作り直すことにした。塀は人工竹垣材で作成して風呂は岩風呂にします、以前に怖い思いをしたのでこれも知り合いの業者に依頼しました。岩風呂の
石組み以外のできることは知り合いの大工さんに手伝ってもらいコツコツと2021年春完成を目指して作っています。


                        制作課程の画像ですどのように変わっていくかお楽しみ下さい

     
     湯船内の正面石組み      3段滝落としの石組み       風呂の右側      弁天様を安置しました
        
 弁天様の隣は五右衛門風呂です、 石組み途中ですがこの後に東屋を作ります    湯船から洗い場と脱衣所を臨む
       
  全景  懇意にしている隣の大工さんです露天風呂内の壁等を制作してくれます   
       
   脱衣所から風呂場に続く
アプロ-チ、まだ未完成です
   裏の駐車場からの外観   




 次回は制作途中及び完成まで紹介できたらと思います、3月末までに完成できるか時間的に不安ですが少しずつ進めていきますお楽しみに。


                           その6


2021年3月 露天風呂の桜が満開に咲きましたよ、いよいよ念願の満開の桜下でゆっくりと湯につかる日が来たかと思いきや残念ながらまだ完成していません
間に合いませんでした・・😢 今までの途中経過の画像をご覧ください。

     
 知人の方や懇意にしている石材店の方から鉄平石を無償で提供してもらいました  風呂床に合わせて石を並べていますが自然石のままだと収まりが悪く何度も敷き
       
 直すこと数度、半日かけても収まりませんでした、そこで石鎚やデスクグラインダーを使い石を削りパズルのように組み合わせること二日やっと形になりました。
       
次の仕事に掛かります、仮敷きした石を取り外しながらモルタルで貼り付けて行きますこの作業も三日かかりましたがまだ壁張りや縁張り細部の仕事が残っています
       
 あと何日掛かるやら (-_-;) この数日で三分咲きだった桜が完成前に満開になってしまいました。お風呂には入れませんでした


こんな調子で作業を進めて来たが予定どうりには進みません、素人故に自然石の形を活かしたいとこだわりを持って仕事を続けたので無駄な時間を費やしてしまいました。
素人なのだからこだわりを持たずに鉄平石等をザックリとカットした方が目地も敷石も綺麗にでき仕事が早く終わることが分かりました。 後の祭りですが 😢😢残りの仕事
は壁張りと浴槽周りの石張りが残っているので今度はザックリとやってみようと思います。

今度は完成期日を決めないでゆっくりと気長に進めます。 ゆっくりと気長にね。